ジャパニーズ・ホラー映画の見所は「背筋が凍りつくような恐怖感」ではないです。
ハリウッドホラーに見られるような大声で絶叫したり血が飛び散ったりなどのグロテスクな映像は、ジャパニーズホラーには、あまりありません。
非常に地味に、ジワジワと怖がらせるのが邦画の手法です。
沈黙や、効果音を使った見えない恐怖を演出するテクニックは、海外でも認められていて、幽霊や呪いなど日本特有のホラー映画として認知され高い評価を得ています。
ジャパニーズ・ホラー映画の特徴
- 長い沈黙の時間をつくり恐怖を煽る
- 水滴の音、扉がゆっくり閉まる音などの効果音を要所に使う
- テレビ、お風呂、鏡など日常生活用品を利用することで現実と錯覚させる効果がある
- 遺恨・私怨など恨みをもった幽霊に呪いをかけられる
- 白い服を着た血の気のない長い髪の女性が登場する
ハリウッドのように派手なシーンはありませんが、「テレビから出てくる貞子」など、身近なものを利用することで現実にも起こり得るかもしれないという恐怖感を与えます。
白い服を着た女性はもはや定番となっていますが、この世に強い遺恨や私怨を残して亡くなったという設定は、生きている間に互いを尊重した人間関係を助長する役割を担っているかもしれません。
有名なジャパニーズ・ホラー映画
- リングシリーズ(1998年)中田秀夫監督/鈴木光司(原作)
- 呪怨シリーズ(1999年)清水崇監督
- 着信アリシリーズ(2004) 三池崇史監督/秋元康(原作)
リングシリーズは配給収入10億円を超える大ヒット作品で、ジャパニーズホラーのブームは貞子から始まったと言っても間違いではありません。
2016年には「リング」シリーズの貞子と「呪怨」シリーズの伽椰子が共演したクロスオーバー作品「貞子VS伽椰子」が公開されました。
ジャパニーズ・ホラー映画は、作品のストーリーやセットの作りも細やかなので現実でも起こるような気さえしてきます。
想像力豊かな子供や、怖がりの人が、興味本位でホラーを見ようと考えると後悔してしまうかもしれません。覚悟しないと、しばらくは夜にトイレにも行けず、ひとりでお風呂に入れなくなる恐れがあります。夢に出てくることもあるでしょう…。
トラウマにもなりかねないのでご注意下さい。